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傷口にユーゲル

主にアニメとか漫画とか仕事のこと

社畜を7つのタイプに分類してみた

社畜になって2年ほどだが、当然のごとく、私の周りには社畜が集っている。
基本的にウン10年のキャリアがある社畜が多く、10年選手は少数。その下が私のようなペーペーである。
右を見ても左を見ても社畜。石を投げれば社畜に当たる環境で、ちょっと気づいたことがある。

社畜は没個性ではなく、ある程度タイプ分けができるような気がする。
それを個人的に分類してみたのでまとめておく。また、以下の分類はそれぞれが複合することが多々ある。





ストックホルム症候群

自分のことだけではなく、人のことに気を回す余裕がある場合、このタイプになり得る。
上司その他に虐げられていたとしても、時折親切にされる、俺もつらいんだよアピールをされるなどすると、なんとか力になってやりたいという気持ちになってしまう。
そうして明らかに自分の領域を超えた仕事を引き受けたり、残業を増やしたりしてしまうパターンだ。
たとえ蛇蝎の如く嫌っている相手だとしても、殊勝な態度を取られてしおらしくされると、仏心が芽生えてしまうということはあるだろう。大抵の仕事の内実は人間関係であり、仕事をしている以上、上司や仕事仲間との関係は、好むと好まざるとに関わらず、一定の距離まで縮んでいる。
その縮んだ距離を貪り喰らい、直接あなたの心に触れてくるのが、情というものを狡猾に利用する人間である。意図してかどうかは別として。
 


●安定志向型

扶養家族がいる、家のローンが残っているなど、安定した収入が得られないと困窮すると考え、会社を辞められないタイプ。
最も一般的だと思われるが、その分、別タイプの社畜症も併発している可能性が高い。困窮というのは経済的にだけではなく、世間体や面子といったものも含まれる。
重要なのは、実際に退職した際にどうなるかではなく、本人が困窮すると信じることである。未来に不確定要素があるのは当然だが、退職により自体が好転する可能性を模索するより、現状維持に心理が傾く状態だ。しかし、現状維持が緩慢に心を殺していくこともある。




ダブルバインド

マイホームを買った途端に転勤を命じられた、残業をするなと言われながら膨大なタスクを命じられたなど、二律背反に疲弊させられているタイプ。転勤をしても拒否しても損をする状態で考えが堂々巡りをし、会社から離れるという選択肢を思いつかないまでに視野が狭くなる。
ダブルバインドは仕事におけるあらゆる場所で出現する可能性があり、完全に回避することはほぼ不可能である。
分からないことがあれば質問してくれと言ったその口で、そのくらいのことは自分で判断しろと言う。矛盾に押し潰されそうになっている人間には、晒されている環境自体が間違っていることには気づきづらいものだ。



●憧憬型

憧れの仕事につけたので、多少の無理は仕方ないと受容するタイプ。業界の人気が高く、人材の流入は多いため、買い手市場のブラック業界となりやすい。
マスコミや金融、旅行関係は文系大学生の人気職種だが、理系学生においても、研究内容を活かせるからと現在の業務にこだわる場合がある。この場合さらに深刻なことに、業務ができればさらに多大な仕事を任され、できなければ大学出であることを皮肉られるというダブルバインドを生む。



●自己暗示型

過酷な労働環境であることは理解しているが、それを薄弱な根拠により正当化し、普通のことであるかのように解釈するタイプ。大学の研究室でブラックさに慣れた人間に多い。
この程度どこの会社でもあることだろう、ここよりひどいところはいくらでもある、という具体性のない思い込みと、自分が頑張らなくては会社が回らないという間違ったヒロイック思考(後述)が混ざり、長時間労働を生む。



●ヒロイック型

過酷な状況に耐えることで、会社や組織、ひいては社会に貢献していることを実感するタイプ。自己暗示型よりもさらに積極的に苛酷さの中へ没入する。
いわゆる仕事が人生といったタイプの人間ともいえるが、状況がハードであることはこのタイプにとってマイナスではない。仕事をこなすことは彼のアイデンティティであり、それが困難であることはより強力な自己実現を果たすことを意味する。
これが極まってくると、仕事が手段なのか目的なのかの境界が曖昧になり、もたらされる結果よりも仕事を行うことそのものに価値を置くようになる。



●洗脳型

もはや思考する権利を強奪されたタイプ。度重なるダブルバインドとすり減り続ける精神力により、現状が不変の天命であると受け入れ、フォアグラにされるガチョウのように絶え間なく仕事を詰め込み続ける。
上司が白といえばカラスも白となり、納期が間に合わないといえば不思議な力で睡眠が必要ない体になる。このレベルになると近づくだけで社畜としてのステージが上がってしまうため、できるかぎり接点を減らすことが重要である。




おしまい。


星降る夜は社畜を殴れ (角川スニーカー文庫)