傷口にユーゲル

主にアニメとか漫画とか仕事のこと

【少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト】舞台少女覚え書き

新作劇場版公開前に自分用まとめ。


●愛城華恋

・スタリラの主な配役
太陽の国の騎士/赤鼻のトナカイ/銃士ダルタニャン/アーサー/シャーロック・ホームズ/ダ・ヴィンチ/アポロン/快傑ゾロ/ヴァンパイア/明智光秀/運命の輪


・アルカナの役割 
正位置:一時的な幸運、変化、運命、出会い
逆位置:アクシデント、急激な悪化、すれ違い


・名前など
愛の城。恋する華。
愛は『I』に通じ、強い自意識、傲慢、主人公、等を示しているかも。あるいは複素数。イマジナリー。存在しないが矛盾なく定理を説明できる架空の概念。
花はスタァライトにおいてたびたびモチーフに使われるアイテム。花も恋も命は短く、愛に転じることで城のような強固さを持つ。

ロロロにおいては、開幕のアタシ再生産によってアニメそのものの変容、再生を暗示する。その後最終面において、血塗れの舞台に倒れることで直接的な『死』を暗示する。

舞台#2、オンライン舞台で明示されているとおり、第100回聖翔祭を経て、いわゆる燃え付き症候群を発症している。新作劇場版の『私だけの舞台』が、ひかりと2人の運命の舞台とは違う、愛城華恋の独力によって見いだされるものになることは想像に難くない。



●露崎まひる

・スタリラの主な配役
太陽の国の騎士/巫女ヒフミ/銃士ポルトス/ランスロット/聖夜のサンタクロース/モリアーティ教授/黒沢あひる/サライ/シンデレラ/チェシャ猫/人魚姫/真田幸村/隠者


・アルカナの役割
正位置:精神性、内観、悟り、思慮深い、慎重
逆位置:消極、悲観、保守的、閉鎖的、籠る


・名前など
露の降りる峰。真昼の空。
露は朝方に植物の葉などにくっつく水。それ単体で生まれることはなく、他の何かに依って存在する。もしくは露呈、露骨、あらわになること。

真昼は特に正午ごろの時間帯。太陽の光で星は見えないようで、目を凝らすと金星くらいは見えたりする。旧日本軍戦闘機パイロットは真昼でも星を見ることができたとか。

武器はメイス。重量級の愛。バトントワリングからの派生。舞台の外へ飛び出すほどの破壊力。

スタリラのメインストーリーでは、自信を持てなかったアニメ版から目覚ましい成長を見せ、主役を目指すことへの情熱を現した。



●西條クロディーヌ

・スタリラの主な配役
黒獅子の国の騎士/紅き公爵リシュリュー/アラジン/ワトソン/パーシヴァル/くるみ割り人形/ツクヨミ/ドラキュラ/怪人二十面相/エドワード・ティーチ/恋人


・アルカナの役割
正位置:恋愛、情熱、結婚、ときめく心、調和
逆位置:誘惑、不道徳な性、関係の破綻


・名前など
『條』は道筋、枝、伸びること。西と東を繋ぐ道。あるいは最上、祭場とも通じる。クロディーヌは『ine』で終わっているためフランス女性的命名

アニメ本編では単独のレヴューが描写されず若干不遇な感がある。が、現在のスタリラではなかなか優遇中。主にキャラ性能的な意味で。また、双葉、塁、ミチルといった『誰かを見続ける』舞台少女の中でも、強固な目的意識と克己心を持つ。映画予告の「私のセリフを無視するな」という発言からも、彼女の活躍を期待せざるを得ない。



●天堂真矢

・スタリラの主な配役
太陽の国の軍団長/ランプの魔神/トリスタン/メイドメリッサ/花婿エドワード/玉藻前/アマテラス/スサノオ/ゼウス/上杉桔梗/ヘラクレス/世界


・アルカナの役割
正位置:完成、理想郷、成功、充足、完璧
逆位置:未完成、惰性、物足りなさ、低迷


・名前など
天に座す堂々たる居室。真っ直ぐに飛ぶ矢。天は星を擁するため、作品タイトルにやや掠った名前でもある。しかし星を名前に、矢を武器に持つのは純那のほうである。

スタリラでは削劇されたり花婿のボイスがいつまで経っても実装されなかったり、微妙な不遇を受けている感があったが、えるが天堂真矢のオタクであることが判明したり、要所でいいポジションを得ている。晶とも妙に仲がいい。

アニメでは鳥バード2018、This is お芋、突然のフランス語からの濃厚百合ムーブと、首席の名に恥じない活躍を見せる。「私は1人でもスタァだ!」というセリフからわかるように『自分だけの舞台』を確立していると思われる人物なので、劇場版の華恋に何らかの影響を与えそうなそうでもないような。



●星見純那

・スタリラの主な配役
黒獅子の国の騎士/騎士アラミス/クリスティーヌ/ロビンフッド/ハッピーバレンタイン/沖野みなも/ベル/ラプンツェル/ベル/ジキル博士/ジョー/ヴィヴィアン/女教皇


・アルカナの役割
正位置:知性、聡明、神秘、英知、判断
逆位置:批判、悲観、冷徹、無視、無神経


・名前など
星を見る人。スターゲイザー占星術士。また、『那』は多くあること。美しいこと。
純粋な美。スターゲイザーリリーの花言葉は『ひたむき』。

作品タイトルを名前に持つが、同時に星そのものではなく、それを見る存在。常に学び続け、他者から吸収しようとする姿勢の表れ。

双葉と同様に、努力家の具現のような人物。ロロロパンフではバレエのレッスンを始めたのが9歳時点と、他の九九組に比べて遅く、本人もそれに自覚的である。が、それを努力でカバーし、出来ないことを出来るようにする、と入学願書には明記している。

長崎出身。モデル活動歴あり。
両親からは進路に反対されているということだったが、長崎から東京まで娘を送り出してくれている時点で、けっこう協力的だといえる。この点、後述するななの家庭と地味な対比が生まれている気がする。



●大場なな

・スタリラの主な配役
太陽の国の騎士/ファントム/令嬢エレナ/天海もも/野獣/宮本武蔵/クリスマスのお七/マーリン/幸福の王子/イザナギ/正義


・アルカナの役割
正位置:公正な判断、均衡、正しさ、平等
逆位置:罪、不正、均衡が崩れる、不平等


・名前など
大きな場。台場。晴れ舞台。あるいはダイバーシティダイバージェンス。すなわち世界の多様性と発散。世界ごと再演を繰り返していることの暗示。

ななは7。アニメ第7話。第99回聖翔祭の舞台に立った、自分以外の7人。神が世界を作った7日間。ラッキーセブン。レインボー。七福神。特殊な意味を付加されることが多く、それゆえに特別に感じるが、実際には単なるひとつの素数でしかない。

スタリラのメインストーリーにおいて、「みんなを守ってあげなくちゃ」という意識がまったく変わっていないことが判明した。時系列的には一応第100回聖翔祭の前ということになるはずなので、ここから意識の変化があるのかもしれないが、怖い。

ロロロにおいては狂言回し、あるいは観客、編集者、待機中の演者。新作でも重要なポジションを演じることは間違いない。

また、パンフレットから、バレエのレッスンを純那の1年前に始めたらしいこと、芸能活動歴はまったくないこと、親が転勤族で転校が多かったことなどが判明。
『両親の仕事の都合』という書き方から、共働きであることが示唆されているが、普通転勤族といえば、片方は専業主婦(主夫)である。両親ともに同じ会社に勤め、同じ場所に同じタイミングで配属されるというのも考えづらい。もしかすると自営業なのかもしれないが、引っ越しの多い自営業というのはどんなものなのだろうか。

ひとつ思いつくのが、ファーストフードなどの移動販売、つまりキッチンカーである。

基本的には同じ街で営業するが、シーズンが変われば観光地に移動するなどして売上を確保する。その都度引っ越しが発生するため、娘は仲のいい友達を作る暇なく転校を余儀なくされる。

ななの異様な料理上手は、両親のキッチンカーを手伝っていたからという可能性もある。バナナは年中入手しやすくリーズナブルな食材なので、それを使ったスイーツは大場キッチンの主力メニューだったかもしれない。

スマホでの撮影に慣れているのもこれで説明がつく。スイーツといえばインスタ映え、お客さんに頼まれたり、店のインスタに載せる写真を撮影することで、映える写真の撮り方が自然に身についたのだろう。

そうして店を支えてくれた娘に報いるため、大場ななの両親は、娘を東京へ送り出したのである。娘のためを思って反対した星見家と、娘に対する負い目から聖翔を受験させた大場家。家庭環境と2人の性格の関係に思いを馳せたくなる。



●石動双葉

・スタリラの主な配役
太陽の国の騎士/長靴をはいた猫/清水次郎長/テウメッサの狐/花嫁 結乃/妖精パック/ガラハッド/力


・アルカナの役割
正位置:強い意思、自制、不屈、理性、力量
逆位置:無力、力不足、諦め、優柔不断、落胆


・名前など
苗字としての『石動』は、石垣を建築するために材料の石を運び出したことから。また、大水の時に河原の石が音を立てて流れていくことから。

『花柳』とは対になる名前。華やかな香り、愛でる対象ではなく、無骨な石。武器、土台、あるいは『意志』に通じる。

さらに『イワナガヒメ』との類似があるかもしれない。イワナガヒメコノハナサクヤヒメはニニギノミコトのもとへ2人揃って嫁に行ったが、イワナガヒメはその醜さからニニギノミコトに拒絶されてしまう。そのため、人間の寿命は花のように短くなった、という話。

スタリラでは『斬られ役』としての矜持を強く感じる。アニメで描かれていた、香子がトップに立つ姿をそばで見ているという目的意識を、さらに深堀した感じ。しかしそれを香子自身に叱られてしまうなど、ちょっと可哀想なところも。

新作劇場版では、『見続けている者』から脱却するのだろうか。



●花柳香子

・スタリラの主な配役
黒獅子の国の軍団長/悪戯なコウモリの魔女/ドン・サルヴァトーリ/玉椿の君/マリー・アントワネット/漂流者/イザナミ/悪魔


・アルカナの役割
正位置:誘惑、堕落、裏切り、破滅、依存
逆位置:解放、再生、目覚め、執着を手放す


・名前など
華やぎ、香る。『子』は初めから終わりまで。香りは人間にとってプリミティブな感覚であり、精神の安定や過去の記憶に紐つくことがある。いつの間にかそこにあり、影響を及ぼすもの。

ロロロパンフの圧が凄まじい1人。なんと2歳から日本舞踊を始め、数多の芸事に通じ、凄まじい自信を醸し出している。新春舞踊会で2度の優勝をしているが、その時2位になったのが珠緒であることがスタリラのエピソードで確定した。

そのスタリラではボス級の存在感と威厳を感じるキャラクターとして珠緒との対決を控えている状況である。これを経由して劇場版に至っていると考えると、どんな成長をしているのかと、かなりの期待を寄せてしまう。



●神楽ひかり

・スタリラの主な配役
黒獅子の国の騎士/銃士アトス/アマテラス/シャーロック・ホームズ/心を込めて手作り中/花嫁 ジューン/モナ・リザ/ガウェイン/眠り姫/漂流者/織田信長/塔


・アルカナの役割
正位置:災害、災難、事故、崩壊、ショック
逆位置:不名誉、緊迫状態、受難、不安定


・名前など
神のための舞。演舞。光。

光は波であり粒子であるという二重性を持つ。また、光よりも早いものは存在せず、速度はあらゆる状況で一定であり、光は常に最短となるルートを通る。
光速度一定の法則より、高速で運動する物体の時間は遅くなるという現象が導かれる。仮に光速を超えて運動する物体がある時、それは過去へ移動するのではないかという説もある。

ロロロでは、ななとともに劇中の外側にいると思われる人物。ななが編集者兼演者であるなら、ひかりは観客兼演者だろうか。

劇場版冒頭での新たな口上の中の、「それが野生の本能ならば」というフレーズは、もちろん“ワイルドスクリーンバロック“に対応しているのだろう。アニメ11話では自身のスティレットによって手のひらから流血したが、それに続き、今度は華恋のサーベルによって流血している。ではロロロ終盤のあの血糊は誰のものか、というのもまた悩ましい。

ワイドスクリーンバロック』というジャンルは、時間や空間を飛び越え、壮大なスケールで展開するアイデアと物語の奔流であるとされる。スタァライトは新作劇場版でどんなスケールの物語を見せてくれるのだろうか。