カクヨムのファーストインプレッション
KADOKAWAとはてなの共同開発という鳴り物入りで発表された小説投稿サイト、『カクヨム』が、2/29に正式オープンした。
ラノベ業界のラスボスがweb小説の取り込みに本格的に乗り出したということで、前々から注目度の高かったサイトである。
さっそく登録してちょっと使ってみたので、感想を述べたい。
●サイト全般について
さすがに大手だけあって、レイアウトはそこそこスタイリッシュ。しかし、まだオープンから日が経っておらず、ランキングも未実装なので、ランダムピックアップのタイトルを眺めるか、検索を使うかがメインになるだろう。
独特なのは、作品にキャッチコピーが設定できるという点である。ランダムピックアップを例に取ると、
キャッチコピー
タイトル/作者
ジャンル・話数
といった表記の仕方になる。
キャッチコピーのフォントが大きく、カラーの設定ができるため、最初はこちらをタイトルだと勘違いしてしまうかもしれない。
●検索について
読みたい本を探すのには必須の機能だが、現時点ではやや不便。
まず、検索のヒット数がいくらかわからず、検索結果ページを移動するにも、ページ番号のリンクがないため、『次へ』を連打しなければならない。
また、現時点では並べ替えができず、どうやら自動的に更新時刻が新しい順に並べられるようである。
検索結果ページでもキャッチコピーは健在だが、タイトルの右隣に並べられるような形なため、こちらは見やすい。
だが、なぜか読者のレビューが同じ欄に並べて表示される。キャッチコピーと同じフォントサイズなので、肝心のキャッチコピーの方が目立ちにくくなっている感じである。
そもそもレビューは作者とは関係ないはずなので、ここまで大きい扱いはしなくてもいいだろう。
さらに、ここでは検索ワードに関連するタグも一覧表示される。
しかし、タグは作者が好きにつけているので、表記のバリエーションが凄まじい。
例えば、『ファンタジー』という単語で検索すると表示されるタグが以下である。
・ファンタジー
・和ファンタジー
・ファンタジー系
・非ファンタジー
・廃ファンタジー
・微ファンタジー
・ファンタジー?
・純ファンタジー
・少年ファンタジー
・ローファンタジー
・以下略
表記揺れが大きすぎるため、個々のタグが検索の役に立っているとは思いがたい。『恋愛ファンタジー』と『ファンタジー恋愛』が両方登録されている時点で、利用者のリテラシー能力が試されている気がする。
なお、検索する際は、小説のタイトルかタグが全文一致したものが引っかかる。
例えば、「剣と魔法の物語」というタイトルで、『恋愛ファンタジー』というタグで登録された作品があるとする。
『魔法』『ファンタジー』という単語で検索した場合、残念ながらこの作品は引っかからない。あくまでも、『魔法』『恋愛ファンタジー』という単語で、タグを全文一致させる必要があるのだ。
もっとも、小説作成の際に、まず当てはまるジャンルとして、ファンタジー、SF、ホラーなど、ごく基本的なタグを設定するよう指示されるため、このような事態になることは少ないだろう。
●二次創作について
カクヨムの目玉として、KADOKAWAの作品の一部が、公式に二次創作が認められているということが挙げられる。
すでに「石膏ボーイズ」に3作集まっているのが驚愕である(3/2現在)。犬ハサはゼロなのに。
ともあれ、おもしろい試みだと思うので、盛り上がって欲しい。
関連
●その他
本文のフォントは明朝体で、なにげにこだわりを感じさせる。
ルビ、三点リーダー、ダッシュ等の表記も問題なさそう。
オープンしたばかりで不満も多く聞こえてくるが、改善対応は速く、そのうち良くなっていくだろう。
サイトが始まって2日目で、すでに数ヶ所直されている。
小説の一覧ページなどで紹介文を表示するようにしました - カクヨムブログ
カクヨムのSEはちゃんと眠れているのだろうか。
くれぐれもご自愛いただきたい。