【ハースストーン】結局ダーナサスは何枚入れるべきなのか
ハースストーンの話。
ドルイドにとって存在意義とも言えるマナ加速だが、ダーナサスの志願兵の投入については意見が分かれるところである。
練気と野生の繁茂は各2積みがスタートラインだが、この2枚と比べ、ダーナサスは確実性がなく、除去されるとマナ加速できない問題がある。
ダーナサスの志願兵/Darnassus Aspirant - ハースストーン日本語wiki HEARTHSTONE MANIAC(ハースストーン・マニアック)
それに加え、小型ミニオンであるという宿命により、中盤以降引いても腐ってしまう。野生の繁茂は少なくとも確実に加速してくれるし、いざとなればドローもできるのに比べ、ダーナサスが頼りないのは確かだ。
以上のような理由により、ドルイドデッキにとってダーナサスは必須というわけではなく、1積み、場合によっては0枚構成という場合もある。
ただし、マナを増やすという効果が弱いはずはなく、除去されても相手のリソースを使わせているという考えもできるため、2積みするべきという意見も同様に理屈が通っている。
では結局のところ、何積みするのが最も効率がいいのだろうか。
身も蓋もないことを言えば、デッキ構成とメタによるとなってしまうのだが、ちょっと考えてみたい。
http://mikaaaan.web.fc2.com/java_game/rensyu/cardp.html
こちらでドロー確率を計算できるので、参考にしてみる。簡単のため、すべて先行でフルマリガンし、ドローカードは使わないものとする。
●ダーナサス2積みの場合
2ターン目までに少なくとも1枚引ける確率は、マリガン含めて8枚カードを見ることになるので、
1-{(28C8)/(30C8)}
=0.469
すなわち、約47%。
さらに、単純に野生の繁茂を同一カードとして考えると、4積みしていると見なせるので、ドローの確率は、
1-{(26C8)/(30C8)}
=0.733
すなわち、約73%となる。
かなり高いが、それでも10回に3回は引けないし、デッキに眠ったカードはそのままゲームの負債となる。
もう少し具体的に確率を考えてみよう。
2ターン目までにダーナサスを引けず、かつロアコンが射程に入る9ターン目までに引いてしまう確率は、
{(28C8)/(30C8)}×[1-{(23C7)(25C7)}]
=0.53×0.49
=0.26
つまり、約26%の確率で、序盤使えなかったダーナサスが、中盤以降ゴミとして流れてくる。
しかもこれは9ターン目までに勝負をつけること前提の計算のため、ターンが長引けば、ドローする確率はさらに上がるし、時間が経つほどダーナサスの価値はゼロに漸近していく。
それだけではなく、2積みという都合上、1枚目を2ターン目までに引いたが、2枚目を中盤以降に引いてしまった、ということもありうる。3ターン目ならいいが、4ターン目、5ターン目に引いた場合、出すタイミングはなかなかない。
●ダーナサス1積みの場合
2ターン目までに少なくとも1枚引ける確率は、
1-{(29C8)/(30C8)}
=0.266
約27%。
さらに、野生の繁茂を同一カードとして考えると、3積みしていると見なせるので、ドローの確率は、
1-{(27C8)/(30C8)}
=0.621
約62%となる。
さらに、2ターン目までに引けず、3〜9ターン目までに引いてしまう確率は、
{(29C8)/(30C8)}×[1-{(24C7)/(25C7)}]
=0.73×0.28
=0.20
約20%の確率である。
2積みの場合に比べ、悲しみを背負う確率が6%ほど低い。
●投入枚数による違い
これらの計算は、マリガン時のプレイヤーの判断や、ドローカードを度外視しているため、実際にはもう少し変動するはずだが、ある程度の信頼性はあるだろう。
ダーナサスと野生の繁茂を同一カードとみなした場合、2ターン目までに引ける確率は、ダーナサスの投入枚数が
1枚の時:62%-47%=15%
2枚の時:73%-47%=26%
だけ、それぞれ高くなる。
1枚投入と2枚投入の確率差は11%。
それだけの確率が、ゲーム後半のリスクに見合うと判断すれば、投入枚数を増やすことになるだろう。
では、それぞれの投入枚数における動きを考えてみる。
2枚投入する場合:
Proyecto Hearthstone Cup #8 優勝 koroneko ミッドレンジドルイド - ハースストーンデッキ検索|HearthGamers
こちらのkoroneko氏のデッキでは、ダーナサス2枚かつナクスラーマスの亡霊2枚投入である。
ダーナサスは除去されると増やしたマナが戻ってしまうため、召喚したら『元を取る』ために何かしらのミニオンを出したい。
先攻の場合、2ターン目ダーナサス、3ターン目シュレッダーという動きが強く、後攻の場合、1ターン目コイン+ダーナサス、2ターン目ナクスラーマスという動きができる。さらに練気を絡めることで、柔軟に大型を出してアドバンテージが取れる。
また、ソフトトーント(相手は放置しづらい)であるため、隠れ身の切れたナクスラーマスや、ソーリサン皇帝の隣にいると嫌らしいこともある。
1枚投入する場合:
2枚投入よりも腐りづらいが、マナ加速できる確率は下がる。
なお、デスロードなどで引きずり出される確率も下がる。
単純に、0枚、2枚採用の中間。確率的なパフォーマンスはいい気がする。
投入しない場合:
S23 NA6位 Sweep ゴーレムドルイド - ハースストーンデッキ検索|HearthGamers
こちらのSweep氏のデッキは、ダーナサス投入を見送り、セナリウスなど重いカードを多く採用している。
デッキが重いということはそれだけゲームが長引くということであり、ゲームが長引けば、それだけダーナサスを無駄に引いてしまう確率は上がる。
だから、長丁場を想定するデッキからダーナサスを抜くのは、理にかなっているといえるだろう。
もともとコントロール系のデッキには相性がいいため、『勝てる試合を落とさない』という観点からも、ダーナサス不採用は正しい。
●まとめ
身も蓋もないが、好みで決めればいいのではないだろうか。
強いて言うと、3、4マナ帯で有効な動きがしやすいなら、2積みが有効に働きやすい。
余談だが、春からのスタン落ちにより、フレイムキャノン、闇爆弾、グレイブズーカなどが使用禁止になるため、少しだけダーナサスが生き残りやすくなるかもしれない。
これを書くにあたって、こちらの記事も参考にした。