「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」に散りばめられた格好良さ
今期一番楽しみにしているアニメ、「少女☆歌劇レヴュースタァライト」。
少女革命ウテナのフォロワーかな? という意識で見ていたが、回を追うごとにどんどん目が離せなくなり、寝ても覚めてもレヴューが脳裏にちらつく体質になってしまった。
ストーリーだけを言うなら、割とよくあるタイプな気もするが、キャラクターの魅力と演出の力でぐいぐい引っ張ってくれる。
特に画面の端々に織り込まれた格好良さが、舞台少女すげーという素朴な感動を引き起こすのだ。
この作品を一言で表すなら、『なんだかわからんがとにかく格好いい』ということに尽きる。
それが特に集約されている戦闘パートでは、もはや気に入らないシーンを探すほうが難しい。
『アタシ再生産』の無骨な機械ときらびやかな衣装のコントラストが映える変身シーン、スポットライトの仕事ぶりと、キャラクターの個性を一息に見せつける口上シーン、ポジションゼロのバミリに剣を突き立てて見得を切るシーン、このあたりは『お約束』と言えるほどリフレインされているが、どれもが見飽きないのでむしろ『待ってました』という気分になる。
上掛けの翻り方まで格好いい
さらに字幕の使い方もいい。『アタシ再生産』という言葉のインパクトを最大に活かす極太のフォント、劇中歌のタイトルを縦書きにするセンス、あくまでも『舞台』を見せるロングショットででかでかと挿入されるレヴューテーマ。
3話より
これらハイクオリティな『型』がある上で、毎回超作画の戦闘シーンが繰り広げられるのだから、わくわくしないわけがない。
思うに、この作品は突飛な演出を組み込んではいるが、一方で、意図的な『既視感』を視聴者に提示している。
上記のようなバンクや口上、『上掛けを落としたらレヴュー終了』などといった『変わらない』部分と、レヴュー相手との千差万別な戦闘シーンをうまく融合させ、『いつも見ているもの』への安心感と、『見たことないもの』へのわくわく感を同時に与えてくれる。
『お約束』の使い方が巧みなのである。
だから画面の格好良さは加速するし、逆に『お約束』を少し捻られた時にハッとする(3話のポジションゼロ宣言や、6話のレヴューテーマ字幕のタイミングなどで顕著)。
そしていつの間にか、自分がレヴュー沼に引きずり込まれていたことに気づくのである。
また、『歌劇』である以上、音楽の力も忘れてはいけない。
毎回のレヴューでは、キャラクターそれぞれの心情を表すような歌を背景に戦闘が行われる。
その曲のクオリティが高いのはもちろん、歌詞が見事にレヴューのテーマを表していたり、劇中の画面を引き立ててくれる。
特に5話における劇中歌は、これ以上ないほど作中の展開とシンクロしていて、映像というものの力を思い知らされた。
毎回画面上では決闘しているけども、曲はデュエットになっているのも素敵。ED曲もそれぞれのキャラが持ち回りで歌っているが、それがどれも各キャラの個性に不思議と合っている。
ともかく、『見ていて楽しい』という点で素晴らしいアニメである。
この先もしばらくスタァライトされ続けることになりそうだ。
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