シャドウバースのファーストインプレッション
シャドウバースを始めた。
簡単に言ってしまうと、絵が可愛くなったハースストーンである。
ただ、進化システムなど独自の色も付いているので、けっこう遊んだ感触が違っている。
リリースされてから約2週間だが、メタが目まぐるしく切り替わっていて、今のところバランスは良好なようである。
せっかくなので、ハースストーンとの比較を交えながら感想を述べたい。
●進化について
こちらで詳しく書かれているが、シャドウバースには進化システムというものが存在する。
先攻は2回、後攻は3回フォロワー(HSで言うミニオン)を進化させることができ、+2/+2の修正を与えるとともに、場に出したターンでも、相手のフォロワーに攻撃できるというシステムだ。
先に進化できるのは後攻なため、進化の回数と、進化で先手を打てるという点が、後攻の有利である。
ハースストーンでは、コインの存在と、手札が1枚多いという点で後攻の不利を埋めていたが、シャドウバースでは進化以外に後攻のメリットは存在しない(相手の動きを見てから動ける、とかは除く)。
ストーリーでもらえる4コスト進化フォロワーを見ても、いかにも「これで逆転してください」と言わんばかりである。
イラストも変化するし(全フォロワーに用意されている)、制作サイドからしても、目玉のシステムであることが伺える。
●マナレシオについて
シャドウバースのフォロワーは、あまりスタッツ(攻撃/体力)が高く設定されていない。
なにしろリーダー(HSのヒーロー)の体力は20である。簡単に除去できないフォロワーが高ATKで殴り続けていたら、すぐにゲームが終わってしまう。
具体的に見ていこう。
・1コスト
ニュートラルのバニラであるゴブリンが1/2。ハースストーンでは、同じく中立のバニラであるマーロックの襲撃兵が2/1である。
ヒーロー専用カードには1/3能力付きが存在するが、シャドウバースにはこのレベルのスタッツはいない。
・2コスト
ニュートラルのバニラであるファイターが2/2。ハースストーンでは、たいがい2/3か3/2である。合計スタッツは、シャドウバースのほうが1低い。
・3コスト
ニュートラルのバニラである流浪の傭兵が3/2。ハースストーンでは、同コストのバニラは3/4ないし4/3が標準である。
・4コスト
ニュートラルのバニラであるゴリアテが3/4。ハースストーンでは4/5がバニラ標準。
・5コスト
とうとうバニラがいなくなるコスト帯。フォロワーの能力によりスタッツの偏りも大きくなってくるが、おおむね合計スタッツは8程度。ハースストーンではスタッツ合計11がバニラ標準。
・6コスト
さらにスタッツが偏るが、おおむね9程度のスタッツが標準。ハースストーンでは13がバニラ標準。
・7コスト
あまり人気のカードがないコスト帯。スタッツは9.5程度が平均値。ハースストーンでは14がバニラ標準。
・8コスト
ここにきてバニラが復活する。「インフェルノドラゴン」が堂々の8/8/8でスタッツ合計16、そしてハースストーンも、同コストのバニラはスタッツ合計16である。
・9コスト~
数が少なく、スタッツのばらつきが大きいため、あまりスタッツ計算に意味がないと思われる。
こうして見ると、『高コストになるほど能力で戦う』という傾向が見える。基本的に、コストに対するスタッツは、コストが高いほど低くなっており、8コストに関しても、「インフェルノドラゴン」以外はそう高スタッツでもなく、平均は9.8程度である。
実際、リーダーの体力が20のゲームで、「炎の王ラグナロス」のような高スタッツで鬼畜能力のカードを出しても強すぎるので、無難な調整と言えるだろう。
これは「沈黙(能力無効)」が採用されていないことからも伺える。シャドウバースに「鉄嘴のフクロウ」が採用されていたら、かなり猛威を振るったと思われる。
本家でもそうなりかけていたが、ラストワードや常駐型能力よりも、ファンファーレの価値が圧倒的に高くなってしまうことを嫌ったのだろうと予想している。
●運ゲー要素について
サイゲームスは、カードテキストにおける運要素は少なくすると言っているらしい。
ここはハースストーンと比べて、明確に異なる点だ。
この時書いた記事にもあるが、ハースストーンは明らかに意図して運要素を強くしている。
これによってマンネリを防ぎ、初心者に(一時的に)勝たせやすくしているのだが、シャドウバースはこの方式を取らないのだという。
実際、運が絡む効果は少ない。
シャドバ版「ナイフ・ジャグラー」とでも言うべき「アーチャー」、顔面に飛ばない「火炎ジャグラー」である「ベビーエルフ・メイ」、すごく強くなる可能性がある「魔力の矢」の「ファイアーチェイン」などか。
カードテキストで運要素が少ないぶん、40枚1デッキという点が運要素を担っている。同名カードは3枚までという都合上、引くカードが偏る可能性はハースストーンよりも高い(マリガンなし、初手4枚でフル投入している同一カードが被る可能性は、シャドウバースのほうが1.6倍ほど高い)。
また、試合中の話ではないが、レジェンドをはじめとするレアカードの入手しづらさも、ある意味運ゲーである。
ハースストーンのように、不要カードをエーテルにして、自由にカードを入手できるようにしてはくれているのだが、還元率が絶妙に悪く、さらにレジェンドだろうと3積み可能なルール上、デッキを組む難易度はそれなりに高めである。
どうせならカード入手のしやすさもパクってほしかった。
●気になるカード
強いと思ったカードを列挙してみる。
■エルフ
書いてあることがすべてエルフというリーダーに噛み合っている。
手札に戻した分は自分のパンプになり、守護でコンボパーツを集める時間を稼いでくれる。
増えた手札は、「収穫祭」や「リノセウス」で活用でき、とにかく無駄がない。標準スタッツを持っているのが不思議なレベルである。
■ロイヤル
フィールドに召喚する手下をプラスすると、進化込みで合計スタッツ7/8。
とりあえず進化させておくとアドバンテージが取れる素敵カード。
■ウィッチ
・マーリン
書いてあることがバグっている。現在は取り巻きのカードがパッとしないために目立たないが、カード追加でいくらでも壊れる余地がある。
逆に言うと、この先このカードがあることを前提にカード追加を行わなければならないため、悩ましい存在である。デッキに入れなくても、カードプールに存在するだけで引いてきてしまう可能性があるというのもきな臭い。
近い将来、強力なスペルブーストカードを追加してしまったため、バランスをとるためにゴミカードを追加するという状況になる懸念を抱いているのだが、どうだろうか。
追記:
マーリンの効果はデッキからサーチだった。勘違いを訂正。
スペルの数を絞り、特定のカードをサーチしやすくするという使い方もできそう。
■ドラゴン
・竜の託宣
元ネタは10マナなければドローできなかったのだが、こちらは7コストあればドロー可能である。不条理じゃなかろうか。
マナ加速自体強いが、このリーダーは4ターン目後攻ないし5ターン目先攻に、5コスもしくは6コスの進化ができる可能性がある。
今のところ進化枠はドラゴンウォーリアやジルニトラが安定だろうが、カード追加次第で怪しい動きができないかと夢想している。
■ネクロマンサー
アドバンテージという言葉を形にしたようなカード。出し得ともいう。
「蠱毒なザリル」と似ているが、あちらはバニラスタッツに比べて2回り小さく、カード1枚は死んだ後でしか手に入らない。さらに、内容はランダムである。
こちらは平均的スタッツより1回り小さいだけで、さらに出した瞬間に手札が2枚増える。また、細かいことだが、リーダーへのダメージがかなり制限されているこのゲームで、顔面に直接2点飛ばせるのは大きな利点である。
■ヴァンパイア
・黙示録
カードプール的に全体即死に等しく、状況次第で4コストとなる。
「テミスの審判」も強いカードのはずだが、霞んで見えてしまうパワーがある。
■ビショップ
可愛い、便利、腹パンしたくなる、という3拍子揃った逸材。
ビショップのドローはどれもこれも癖が強く、素直なサーチができるこのカードは貴重である。
■ニュートラル
5コストのスタッツがおおむね8のゲームで、脅威の3/7守護持ちである。
デメリットもデッキ構築と立ち回りでフォローできる。
●まとめ
『絵が日本人向けである』というのはなんだかんだ言って大きい。
ハースストーンのバタ臭い絵に抵抗のあった人も、手を伸ばしやすいというのはあるだろう。
また、すでにグラブル等で大きな実績のあるサイゲームス製ということで、潜在的なユーザーは多く、知り合いがやっているから始めてみようと思いやすい。
ハースストーンと似ているといっても、進化システムやリーダー個別能力などのために、ゲームとしての独自色はそれなりに出ている。
不満といえば、アプリが安定しないところと、カード入手が(ハースストーンに比べて)しづらいところだろうか。
始まったばかりで不安定なところはあるが、シャドウバースのこれからの躍進に期待したい。

- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (73件) を見る