傷口にユーゲル

主にアニメとか漫画とか仕事のこと

電子書籍のラノベをBOOKWALKERで読むメリットについて

私は3年弱くらい前から電子書籍を利用している。
だいたい漫画と小説が主で、ときどきビジネス書を買ったりするくらいだ。

主に使っているのはBookLive!とKindle、エロ系はDMM.comで、だいたいこの3サイトで完結していた。

で。BOOK☆WALKERが新規登録で1000円分ポイントサービスをしてくれるキャンペーン中だったので、試しに使ってみた。

出版社直営の電子書籍ストア-BOOK☆WALKER

前々からラノベ読むならBOOKWALKERがいいという話も聞いていたし(電撃系など、このサイトじゃないと配信していないものも多かった)、現在使っているBookLiveと本棚共有できる(角川系の本に限るけども)というので、ちょうどいい機会だと思ったのだ。

とりあえず共有本棚に入った分の本を読んでみたが、結論から言うと、ラノベはBOOKWALKERで読んだほうがいい。
少なくとも、私が現在使っているサイトよりは(価格は度外視するとして)優秀だと思った。


BOOKWALKERには、めがイラストというものがあって、口絵・挿絵を拡大して見ることができる。
なんか当たり前のことのように聞こえるが、電子書籍にあってはこれは当たり前ではない
実際に使ってみるとわかるが、『ラノベのイラスト』というものに関して、電子書籍はかなりいい加減なのだ。
下の画像は、ノーゲーム・ノーライフ7巻の口絵を拡大したもので、上がBookLive、下がBOOKWALKERである。
表示機器はXperia Z1、どちらも公式のAndroidアプリを使用している。

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上はシャギーが出てしまい、全体的にボケたような感じだが、下はかなりの画質を保っている。
画像の質という点においては、明らかな違いがあるのがわかるだろう。

また、拡大前のイラストの表示に関しても、BookLiveは全体が縮小表示されている→拡大という手順を踏むのに対し、BOOKWALKERは最初から見開きの右半分を全画面で表示して、スワイプでもう半分を表示するか、拡大するかという手順になる。
大した違いではないように見えるが、本文を読んでいる間に前者のやり方をされると、けっこうなストレスになるのだ。

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こちらも上がBookLive、下がBOOKWALKERである。
下のほうが余白を廃し、イラストを見やすく配置している。
このあたりは見開きイラストの時に顕著で、BookLiveでは画面の上半分にイラストが縮小表示され、それを拡大して見ることになる。
それが、本文をずっと読んできた身からすると、小説から浮き上がっているような、うまく砂糖が溶け切れていないコーヒーのようなよそよそしさを感じさせてしまうのだ。
BOOKWALKERは、イラストをうまく小説になじませる努力をしていると思う。


さて、Kindleの方だが、これはマジで意味がよくわからないのだが、そもそもイラストの拡大表示ができない。
正確に言うと、本によって拡大ができるものとできないものがある。

上のノーゲーム・ノーライフ7巻(試し読み版)は拡大できず。
それ以外に9タイトルほど買っていたが、イラストの拡大ができたのは『円環少女』だけだった。
合本版を5タイトル買っているので、そちらは通常版と違って適応外なのかもしれないが、普通に買った残りの3タイトルも拡大できなかったので、やはりKindleの方針なんじゃないだろうかと思う。
なお、Kindleの画質と表示形式は、BookLiveとほぼ同じである。
ただし、イラストを拡大する場合、ダブルタップして別窓で開いたものをピンチアウトすることになるので、シームレス感は上記2サイトよりも劣る。そもそもこの動作を知らない人も多いんじゃなかろうか。

というわけで、ラノベはBOOKWALKERで読むのがよさそうだという結論に達した。価格的にも、コインキャンペーンなどを使えば十分安く済むようだし。本棚共有機能があるので、角川系ならこれまで通りBookLiveで買ってしまってもいい。
ただ、Kindleは読む環境としてはイマイチなのだが、ときどき気が狂ったようなセールをやるので、思わず買ってしまって負けた気分になったりする。


最後に、各ストアの配信数がどれくらいか気になったので、調べた結果を貼り付けてみる。
電撃文庫』レーベルで絞り込み検索したら、下のようになった(2015年12月現在)。

BOOK☆WALKER 1699冊
BookLive! 363シリーズ
Kindle 1196冊
Kobo 1187冊
ebookjapan 290シリーズ
kinoppy 1244冊
honto 1529冊

意外にhontoがすごい。そしてBOOKWALKERはやはり一日の長があり、合本版や無料本やなんやで紛れがあるにしても、honto以外のサイトに対して400~500冊ほど配信数が多い。
BookLiveとebookjapanはシリーズをひとつにまとめて表示してくれるので、単純な冊数ではなくシリーズ数での表示となった。まあ他より極端に少ないということはないだろう。
これはBookLiveの強みでもあって、他のストアだと検索した時や本棚に並べた時、○○1巻、○○2巻、……とバラバラに表示されるが、BookLiveの場合は、同じシリーズなら1巻の表紙だけ表示され、それをタップするとすべての巻が並べて表示されるという形式になっている。そういう階層構造を自動で作ってくれているので、本棚の見やすさという点では頭一つ抜けていると思う。

上でちょっと書いたが、電撃文庫というかメディアワークス系に関しては、少し前まではBOOKWALKERの独占配信状態で、他のストアでは一切読むことができなかった。
ビブリア古書堂の事件手帖など、ごく一部のタイトルが例外的に(ドラマもやっていたし、宣伝目的もあったのかもしれない)配信されているという状態である。
それは明らかに出版社側の都合による囲い込みで、KADOKAWAの子会社であるブックウォーカーを優遇するために、電子書籍業界を後退させているようなものだった。
そういうわけで、BOOKWALKERというかKADOKAWAにはちょっと不信感があったのだが、サイト間の格差も薄まってきているし(ないわけではない)、イラストの件でもう許してもいいかなと思う。これはKADOKAWAじゃなくてブックウォーカー側の努力なんだろうけど。