「誰が賢者を殺したか?」4,5,6話感想
ちょっと反応に困る展開が続いていたので間が空いてしまったが、感想を続けてみる。
●4話
・ドローンを乗っ取る『リザードマン』。
目的が破壊工作なのかドローンと装備なのかいまいち不明。両方かも。
・アスランの面倒を見ていたノエル。
アスランが本物の猫であることが確定してしまった。正直これは予想していなかった。
いくらギャグ表現だとはいえ、思いっきり動物としてのコミュニケーション能力を超越している猫が存在しているというのはちょっと……。
この世界で『何ができて何ができないのか』があやふやになってしまう。SFミステリーとしてそれはかなり致命的。
・一つ屋根の下の溝呂木くんとノエル。
特に色っぽいイベントはなし。
もうちょっとノエルを掘り下げる展開にできそうだが。
・「証拠はごまんとある!」
空港に身元不明の入国者記録→入国記録がある以上、身元不明なわけはないので、パスポートが偽造だったということだろう。じゃあどうやって偽造に気づいたのかは謎。
町の監視カメラにも"盗賊"ゾロによく似たアジア人が映っている→顔認識システムなどは発達していないのだろうか。アジア人が珍しいということかもしれないが、似ているというだけでは証拠にならない。また、ハッキングによって映像が偽造された可能性もある。
事件前後のアリバイがない→まず溝呂木くんの出入国記録はどうなっているのだろうか。ペンシルバニアまで行くにも相当時間がかかるだろうが、その間ずっとアリバイがないというのは、溝呂木くんのぼっちっぷりを際立たせる。そして『アリバイがない=証拠がある』ではない。
・「裁判になれば有罪は間違いないです!」
どんな裁判だ。
・ガーゴイルとリザードマン
デザインがなんだか安っぽいコスプレみたい。
いっそのこと完全に化物っぽくした方が面白かった。
・FBIの情報がガーゴイルに筒抜け
FBIのセキュリティはガバガバ。もしくはガーゴイルがFBIの内通者。
・「われらは『驕り』『奪い』(略)『眠る』」
なぜか「地獄という地獄を地獄しろ」を思い出した。あれもハッカー集団に関係した言葉だった。
どうやらこの2人は魔王の仲間だか手下のようだが、全部で何人いるのかは不明。メンバーが上記の『驕り』『奪い』という単語に対応しているなら、全部で7人いる可能性がある。
●5話
・パスワード『JOY』
アーミッシュの格言ならFBIも試しておいてほしい。
・「そこにいるのはアレンか? フラナガン? メリールウ? ひょっとしたらゾロ……?」
アレンの名前を最初に呼んだのはリーダーだからだろう。ロックの解除にハッカー的な技術は必要なかったので、ハッキングの能力というよりも、ダーゲンハイムと親しかった、好奇心の強かった人間の名前を呼んでいるのだと思う。
・「私はもうすでに殺されているだろうから」
殺される確信があり、犯人にも見当がついていた。
なぜ誰かに言ったり逃げ出したりしなかったのかが気になるところ。
●6話
・「"魔王"の正体を突き止め(略)やつの潜伏場所をリークして逮捕させた」
死闘の末葬り去ったという言葉の割には地味な。仕方ないけど。
・ハッキングされダーゲンハイムのデータが消える
まずどうしてバックアップを取っていないのか。オフラインで作業しないのか。セキュリティがガバガバなのか。
ダーゲンハイムも、わざわざ魔王事件の説明をせずにさっさと本題に入ってくれていれば、データを消される前に核心を伝えられたかもしれないのに。
ここまで好きなようにされるということは、やはりFBI内部に敵ハッカーが存在している気がする。データが消されるタイミングといい、映像を見ていた人間の中にハッカーがいる可能性は高い。
・"魔王"の意志を継ぐ者たち
前回のガーゴイルとリザードマンのことなのだろうが、そもそもなぜ魔王がサイバーテロを起こしたかという動機も不明なので、継ぐための意志がどういうものなのかも不明。
・「我々は"魔王"事件が終わってからずっとあんたら"一行"を探してきた(略)"賢者"殺しがなかったら一生みつからなかったろうな」
意味不明。
FBIが溝呂木くんを見つけたのは、ダーゲンハイムのデータから通信元を割り出したからだが、それができるならVR世界に入り浸っていた溝呂木くんを先に誰かが見つけなければ不自然である。ダーゲンハイムのデータに残っていたアバター映像を根拠に、犯人="盗賊"としているのだから、"一行"のアバターは周知されていると見なければならない。それと同じアバターがVR世界にいたのに見つけられなかったのは、FBIが無能だからだろうか。
・溝呂木くんのがんばり物語
検索は基本。
「鍵を外してやる」ということで、ちゃんとハッカーらしいこともできる模様。
3週間も一般人を働かせているが、この間FBIは何をしていたのだろうか。
・腕に『継ぐ者たち』のシンボルを刺青している放火犯
わざわざ自分の身体に刻み込んでいるということは、刺青をするのは仲間内での決まりなのだろうか。悪役グループが共通のシンボルを身に着けているというのは、ありがちな話である。
こいつが本当に『継ぐ者たち』のメンバーなら、サラマンダーとかだろうか。流石に安直すぎるか。
そもそもリザードマンと同レベルのハッカーなら、警察に捕まるということから信じがたいが、特に能力のない下っ端だという可能性もある。
●まとめ
『継ぐ者たち』とかいう新キャラが出てきてしまったおかげで、容疑者が無限に広がってしまった。
てっきり"一行"のメンバーが容疑者で、その中から犯人を見つけ出していくという話かと思ったが、これではちょっと興ざめである。
ミステリーと名乗っている以上、犯人は早い段階で登場させておいてほしいが、6話時点で登場人物はかなり少ない。というか、マルコさんが犯人にしか見えない。
ガーゴイル=マルコで、ダーゲンハイムのデータを消したのもマルコ。無能のサイモンを部下にしているのも、その方が都合がいいから。これでけっこう説明できてしまう。
とりあえず、"一行"といいつつ他のメンバーがまったく必要ない状態なのはなんとかしてほしい。出てきてほしい人物が出ず、新しい登場人物が際限なく増えそうな状況での推理はかなり不毛である。
今週の1コマ