給料以上に働いてはいけないという戒め
どうにも働きすぎている。
現在、1日の残業時間は平均して3時間程度。
サビ残である。
まあとりあえずそれは置いておくとして、最近は休日出勤が増えてきた。
サビ出勤である。
冷静に考えるとこれはおかしい。
月曜から数えて13日間連続出勤しているのは明らかにオーバーワークのはずである。
しかし特に止めてくれる人はいない。
というか、私より残業して休日も出てきているような人は一定数いる。
そういう中では、私のオーバーワークはオーバーワークではなく、ごく常識的な範囲の業務活動なのだろう。
しかしさすがに、役職についている偉い人と、手取り20行くかどうかのペーペーが同じペースの仕事をできるかというと、難しいと思う。
代休というシステムはあるらしい。
しかしそのシステムの活用法を教わった覚えはないし、私の知る限り、活用している人が見当たらない。
そもそも、平日の仕事をやっつけるのにも辟易しているのに、更に仕事が溜まることがわかっていて、本当に安心して休めるだろうか。
もう少し正直に言おう。
代休を取ると、陰で文句を言われる。
取ったことはないし、かなりな部分想像だが、これはあるだろう。
そうでなくても、給与の査定だとか、質問をした時の返事や目線の動きだとか、そういった部分に影響が出てくると思う。
有給を取って連休を作っても冗談交じりにいじられるのだから、さもありなん。
なぜそんなことになるか。
みんなが文句を言わずに働いているからだ。
残業をしているのはあなただけではないのに、休日も無休で働いているのに。
あなただけが休みを取るのかと。
そういった無言の圧力は、誰もが感じるものではないだろうか。
みんなががんばっているところに自分の権利を主張するのは、けっこうな勇気を必要とする。
みんなという概念は強い。実際にはごく狭い会社というコミュニティの、いち事業所の中でのコモンセンスだが、なんだかとても巨大なものを相手にしてしまった気になる。
それは自分で生み出した思い込みだが、なかなか気づきづらい。
長時間残業をしているのは一部の人間のはずだが、それが『みんな』の圧力を弱めることにはならない。
究極、自分以外にひとりでも残業をしている人間がいたら、それは『みんな』のがんばりが継続していることになり、なかなか帰りづらい空気を醸造していくのではないだろうか。普段からそばのデスクで仕事をしている人ならなおさらである。
会社側はそういった空気に干渉しない。
残業も休出も社員の自発的なものであり、強制されたものではないと主張することができる。
そういう上手なスタンスを保っている。
代休はちゃんと取れるように規則を作っている。
取るかどうかは社員の意志に任せている。
あなたは取らなかったのですね、仕事熱心ですね。
密室で醸造された仕事熱心の空気は、腐臭を放ちながらも社員の鼻を腐らせ、肺腑を満たす。
鼻孔にこびりついた腐臭の残滓を忘れるために、日に4回喫煙所に行き、ヤニを摂取して上書きする。
承認欲求はドラッグである。
いかに人に喜ばれようと、上司から褒められようと、時間外に給料は出ていない。
それを忘れないために書きつけておく。